良性のヒトパピローマウイルスは検査できる?

尖圭コンジローマが出現したらすぐ医療機関へ

ヒトパピローマウイルス(HPV)は非常に身近なウィルスで、性交渉の経験のある人は80%以上が50歳までに感染すると言われています。

ヒトパピローマウイルスには低リスク型(良性)と高リスク型(悪性)の2種類がありますが、良性のウィルスに感染すると、尖圭コンジローマという性病を発症する可能性があります。

感染すると3週間~数か月の間体内に潜伏し、鶏のトサカや乳首の様な形をした特徴的なイボを作ります。

自覚症状がほとんどないため、イボができて初めてヒトパピローマウイルスへの感染が発覚します。

良性のヒトパピローマウイルスは、イボができるなどの症状が出てからでないと検査が行えないため、常に体を観察し、口や性器にイボが見られたら病院を受診しましょう。

尖圭コンジローマは症状が出て初めて検査・治療を行うので、基本的に健康保険を使った費用負担となります。

治療費を含め、数千円~数万円程度の費用となることが多いですが、塗り薬、液体窒素、レーザーなどどのような治療方法を選択するかによって費用が変わる様です。

妊婦健診は必ず受診しよう!

良性のヒトパピローマウイルスは少し厄介で、尖圭コンジローマになって作られたイボは病院で取り除くことが出来ますが、ウィルス自体を完全に取り除くことはできません

そのため、再発する可能性が高く、1度治療したからといって油断できない性病です。

特に気を付けたいのが母子感染で、良性のヒトパピローマウイルスに感染した女性が妊娠すると、出産時に子宮を通る赤ちゃんに感染させてしまうことがあります。

ヒトパピローマウイルスへの感染は、妊婦健診で必ず調べてもらう項目ですので、妊娠が分かったら必ず健診を受け、出産時の母子感染を防ぐようにしてください。

悪性ヒトパピローマウイルスの検査はどう受ける?

子宮頸がんになる前に早期発見が大切

ヒトパピローマウイルスの中でも、悪性(高リスク型)に感染すると子宮頸がんを発症する危険性があります。

子宮頸がんの原因の約65%が悪性ヒトパピローマウイルスであると言われていますが、特に若い世代に多く、20~30代の女性に発見されたヒトパピローマウイルスのうち80~90%は悪性だということが分かっています。

他のウィルスと比べても、特にがん化が早いということが分かっているため、きちんと子宮頸がんの検査を受け、万が一感染していても早く発見することが非常に大切です。

子宮頸がんは発症しても、最初の頃はほとんど症状がなく、気づいていたら進行していたという症例も多くありますので、意識的に検査を受けましょう。

HPV検査は「膣分泌物検査」

悪性のヒトパピローマウイルスは、性病検査キットでも簡単に調べることが出来ます。

生理中や性交渉直後を除けば、いつでも検査が可能ですので、思い立ったらすぐにでも調べることができます。

特に、自治体の子宮がん検査を受けていない方は次の検査まで待つのではなく、一度早めに検査を受けておくと安心です。

ヒトパピローマウイルスの検査は、子宮入り口付近の分泌物を採取して検査する「膣分泌物検査」で行われます。

細長い綿棒を膣から入れ、膣の壁に擦りつけるだけですので、誰でも簡単に行えます。

採取する器具は安全性が考えられており、痛みのない柔らかい素材でできていますから、不安もありません。

こんな症状があったらすぐHPV検査!

  • 性交渉をすると出血する
  • 生理でないのに出血することがある
  • 茶色っぽいおりものが出る
  • おりものの臭いがキツイ、くさい
  • 下腹部に痛み・違和感がある
  • 腰痛がある

女性のHPV検査が出来る性病検査キットの費用・時間

サイト 検査キットの費用 検査所要時間
GME医学検査研究所5,190円~1~7日
STD研究所7,290円~1~3日
セルシーフィット6,480円~5~7日

悪性のヒトパピローマウイルスは、初期に症状が出ない事も多く、感染を見逃しがちです。

感染している時は体の免疫力が下がっている事もあり、同時に他の性病にかかっている可能性もあります。

また、性病には同じ様な症状の出る病気がいくつもありますので、HPVと併せて他の性病も検査しておくと安心です。

検査項目の選び方は、「女性の性病検査で選んでおきたい内容は?」を参考にしてみましょう。